雨夜

温度が急激に下がった夜に

慌てて飲んだ薬は役立たず


部屋が揺れ始めて気付いた雨は

重くて誰かを悼んだ涙みたいだ


いつもはうるさい隣人も

今日は声を潜めている


降り続く雨に解き放て願いを

絶え間なく今は書き換わり

僕らは忘れていくから




明日は長袖で寝ようと思う

明日を思う余裕がこそばゆい


温いベッドの中

微睡んだ隙に入り込んだ彼女の明るい歌


いつもの気のせい、耳なりが

今日は意味を持ってしまう


最果ての春に穢れなき契りを

仮初めの時に夢見つつ

僕らは喘いで溶けよう




落ちていく雨から救い出せ願いを

溶け出した色を取り込んで

僕らは空へ還るよ